玉三郎さんは、前に、日本を代表する太鼓グループ「鼓童」を演出した事がある。
私は「鼓童」の舞台を何度となく観ているが、
玉三郎さんにの施した演出により、彼らの舞台は、より研ぎ澄まされた美しいものとなった。
何が美しいって、言葉で上手く表現できないが、強いて言えば、
太鼓と打ち手のコントラスト、
太鼓の音と音との空間、
舞台上の空気、
とにかく究極に美しいのだ。
後で、舞台裏などをドキュメント番組で拝見した。
戸惑いながらも、玉三郎の演出により更に進化する「鼓童」の面々。玉三郎さん自身の変化。
とりわけ、徹底した自己管理や物事の考え方は、尊敬の念を抱かずにはいられなかったし、
芸能に携わっている者として、私の目指す姿でもあった。
玉三郎さんほどの御方でも「声をかけてもらえるうちが華・・・」
きっての女形である彼の、男気をみたような気がして、
なんだか嬉しくなった。
正月公演、ぜひ観に行きたい。
大沢しのぶ