こうして先輩からいつも声をかけてもらうのってホントに嬉しいものです。
昨日は被災地の某市で復興イベントがあったらしくお弟子さんと演奏してきたみたいなんですが…何か色々あったらしく…聞いた僕も耳を疑った。そして言葉が出なかった。
内容は書きませんが本当に被災者を思っているのか何なのか…
まぁ色んな人がいるんだなって。
そしてその後はワイワイと楽しい時間を過ごしました。
面白い事に酒の肴は昭和十年代前半の津軽民謡の音源。
僕が二十五、六年前に恩師からもらったカセットテープをCD化しずっとポータブルで聴いてます。
さすがの先輩も聴いたことがない古い津軽民謡だったらしく…いやー盛り上がった。。
しばらくすると寿司折りを手にしたホロ酔いの常連っぽいお客さんが入ってきた。
先輩の顔を見ると「おっ!?」
その人は先輩のステージを見たことがある人だったらしく、しかもその人は陸前高田市に住んでいで今回の震災で奥様を亡くし、きっと淋しいんでしょうね、この三連休わざわざホテルまでとって盛岡へ飲みに来たんだとか…
陸前高田市は先輩にとっても特別な思いのある場所で様々話している中で急に先輩は三味線を取りにいった。そしてそのお客さんの前で「何も出来ないけど陸前高田の人達を応援してます!」と言い、いきなり三味線を弾きだした…
三味線を聴いているお客さんはその音色を聴いてしばらくすると泣きだした。「もうやめでけろ!」「泣ぎさきたんじゃねぇ。」と言いながら。
そんな先輩もうつむいて涙流しながら弾いていました。
演奏を聴いた後のお客さんはまるで先輩の三味線に浄化されたかの様に顔が変わり急に元気になってまたワイワイ飲み始めた。自分の為に目の前で演奏してくれたのも嬉しかったみたいですがそれより三味線の音色で疲れた身体が癒されたんでしょうね…
これがホントの津軽三味線の力です。
そうあらためて確信した瞬間でした。