指先がかじかんで麻痺しているので撥が糸に当たる感覚もなく、糸を押さえる指も感覚がなく…プロの三味線奏者とは思えない位ひどい音も多々あるんですがそうなると後は集中して耳だけを頼りに心で弾く。そうなると段々良い演奏が出来る様になってきます。
お墓にいる御霊、まだお墓もなく本堂に安置されている沢山の遺骨の御霊、ちゃんと行くべき所に行く道標になることを信じ津軽三味線一生懸命弾きました。
演奏中檀家さんが参道に入ってくると「ありがとうございます。」そう言って聡さんと僕にわざわざ手を合わせて会釈してくれる方がいらっしゃいます。今年はそういう方が少しが多かった様な気がします。通り過ぎる方の背中は淋しそうでした。そんな姿を目にするとあの時の惨事が目に浮かんできます。
夕方現地に向かう途中、被災市内は勿論さら地、全く人影もなくとても静かでした。
でもイルミネーションを綺麗に飾っている所もありみなさんが助け合って頑張っている様子が伝わってきます。
そしてその先には静な海が広がって見えます。
夜の11時から市内に鳴り響く除夜の鐘が鳴り始めました。
色んな思いがこもった音色で心に響きました。
そして高田松原辺りからでしょうか、「ドーン!ドーン!」花火が上がっていました。
希望、そして鎮魂の花火。
お寺の前は高い木が立ちはだかって目視出来ませんでしたが音だけでも花火の映像が想像出来ました。
昨年はホントに色んな思いで走り回った1年でした。
日付がかわり2012年になった瞬間は僕の車の中でした。ヘロヘロになった男が二人。。聡さんと車中で新年を迎えたのです。
放心状態で僕が「今年も宜しくお願いします。」
「あー今年も宜しくな。」
「・・・・・・」
思わず二人で苦笑い。。
こうして毎年三味線で年を越し、新しい年を迎える…
こんな生き方もありでしょ。
いつもこんなんですがどうぞ今年も宜しくお願いしますm(__)m
そしてこれからも東北被災地への温かい応援宜しくお願い致します。